フィードバック

いまさら人には聞けないフィードバックの効果とコツ

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仕事上のミスで部下を叱ることは、部下を持つ方なら何度も経験します。しかし、注意をしても部下の行動が変わらないと感じていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。ただ注意するのではなくフィードバックとして部下に伝えることで、部下の行動が変わりやすくなり、より成長させることが出来ると期待できます。
今回はそんなフィードバックの効果とコツをフィードバックする側・される側の視点でそれぞれ考えてみたいと思います。

 

1.フィードバックは相手の「行動」と「結果」へのアドバイス
フィードバックとは、相手の「行動」とそれによって起こった「結果」にアドバイスをし、次の行動を促すことです。
例えば、部下の作ってきた資料がグラフが見やすく、内容も申し分ないものであったとします。その際のフィードバックはどのようになるでしょうか。

① 「この資料はいいね」
② 「この資料は、グラフも見やすくまとめられているし、顧客の意見も反映されていて参考になるね。次の資料にも今回のようなグラフを入れて作ってくれ」

①の例では、ただ資料の完成度が高かったという情報しか伝えられていません。それに対し、②の例では事実や結果、何が良かったのかをきちんと伝えたうえで次の行動を促すフレーズがつけ足されています。どんな行動をしてどんな結果がもたらされたのか。それを具体的に相手に伝えてあげ、改善を促すことがフィードバックなのです。

 

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フィードバックの語源は「Feed」であるという説があります。
これは、「動物に食事をあげる」という意味から派生して、情報を供給するという意味で使われるようになったという説です。つまり、フィードバックとは簡単に言えば「受けた情報を相手に返すこと」になります。「受けたものを返す」だけなら実行できそうですよね。
例に沿って考えれば、「報告書はグラフが見やすく、内容も良い」という事実を伝えたうえで、「次の資料もグラフを活用してほしい」という具体的な次の行動が示されています。

①のフィードバックでは、部下はただ資料の出来に満足するだけでしょう。しかし、②のフィードバックを受ければ、次の資料でも見やすいグラフを使い、さらにより見やすくするための方法を考えようとするのではないでしょうか。そうでなくとも、①よりも②の方が受け手の次の行動へのモチベーションが上がることは明確です。
それでは、次にフィードバックの効果をより詳しく見ていきましょう。

 

2.フィードバックの効果をおさらい

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フィードバックの効果として最も大切なのは、フィードバックを受けた側に「気づき」が生まれることです。
フィードバックによって「気づき」が生じ、「気づき」によって行動が生まれ、周囲への発言や行動の改善ができるようになります。人はどうしても自分の事を客観的に見ることが苦手です。フィードバックを受けることで自分の行動が回りからどう見えているのかを知ることができ、自分一人では気づかなかった良い点・悪い点に気づくことが出来るのです。
皆さんも、何か行動をした際に「周りはどう感じているのかな」「これで良かったのかな」と気になったり、心配になったりすることがあるのではないでしょうか。フィードバックをされることでそのような不安や心配が解消され、次にステップに進めるようになります。

効果を考える上でもう一つ大切なことは、「なぜこの人がフィードバックしているのか?」を考えることです。

たとえば上司からフィードバックする際の事を考えてみましょう。普段、上司は部下の仕事ぶりを見て、強み弱み等の特徴や目標を把握しているでしょう。そのため、上司としては部下のそういった細かな情報と現在の仕事を照らし合わせて総合的なフィードバックをすることが求められています。ただ評価を伝えるだけでなく、業務上の課題を話し合うことで成長につながるアドバイスが出来るのが上司ということになります。“日頃からまめにフィードバックが行われている組織は強い”と言われています。フィードバックを上手に機能させることで上司が部下の成長を促す活性化した組織を作ることができ、社内の人材育成が進みます。

 

3.効果的なフィードバックのコツ

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効果が分かったところで早速実践したいところですが、せっかくフィードバックするならば、効果的に行いたいですよね。
効果を出すためには5つのポイントがあります。
① ポジティブなフィードバックをする
② フィードバックは行動の直後に行う
③ 分かりやすく具体的なフィードバックにする
④ フィードバックのフィードバックを受ける
⑤ フィードバックの結果を反映するかどうかは相手に選ぶ権利がある
いずれも当然のように思うかもしれませんが、忘れがちなポイントですのできちんと押さえておきましょう。

① ポジティブなフィードバックをする
フィードバックをしても、相手の行動が変わらなければ意味がありません。
人の行動を変えるためには、ネガティブなフィードバックよりもポジティブな事の方がはるかに効果的であると言われています。フィードバックというとどうしても相手の行動の悪い点を指摘してしまいがちですが、良い点を伸ばすことも大切なフィードバックです。
フィードバックは決して批判ではありません。良い点はきちんとほめて、その後で悪い点を指摘しアドバイスをすることで、相手に改善しようという気にさせることが大切です。

② フィードバックは行動の直後に行う
フィードバックは行動とその結果が出てからすぐにするほど効果的です。
人間は忘れる生き物ですから、結果が出てからしばらく経ってしまうと効果が薄れてしまいます。結果が出たらできるだけ早く、その場でフィードバックをしましょう。

③ 分かりやすく具体的なフィードバックにする
フィードバックできるだけわかりやすく、具体的にする方が効果的です。
分かりやすく伝えるなんて当たり前だ!と思われるでしょうが、自分が思っているほど相手には言葉の意味が伝わっていないことがよくあります。意識して、できるだけ具体的なフィードバックを心掛けましょう。

④ フィードバックのフィードバックを受ける
フィードバックの効果を高めるためには、フィードバックをしたらそれでおしまいにするのではなく、受けたフィードバックをどう感じたかを話してもらうこともおすすめです。率直に今受けたフィードバックの反応を聞くことで、フィードバックをした側としても自分のフィードバックの癖が分かり勉強になります。もしくは、どのようなフィードバックが欲しいかを質問してしまうのも手です。相手がどのような点についてフィードバックを求めているか知っておけば、そこに力点を置いてフィードバックができ、互いのフィードバックへの満足度を上げることが出来ます。

⑤ フィードバックの結果を反映するかどうかは相手に選ぶ権利がある
フィードバックをする際に気を付けておきたいこととして、「フィードバックの結果を反映するかどうかは相手に選ぶ権利がある」という点があります。たとえば、「君は会議で批判的な意見が多すぎる」と部下へ伝えたとしましょう。上司からのフィードバックであっても、それが絶対に正しいと受け手に判断されるとは限りません。フィードバックには当然主観も交じりますから、あくまで受け止められるかは相手次第と心にとめておきましょう。
とはいえ、納得できるフィードバックを受ければ誰でも活かしたいと思うはずです。これまで挙げた5つのポイントを意識して効果的で分かりやすいフィードバックを目指しましょう。

 

4.フィードバックの効果が出ないのは受け手にも問題がある?

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これまでフィードバックをする側の話をしてきましたが、実はフィードバックは受ける側にも大切な役割があります。それは「フィードバックをもらいやすい人になる」ということです。

フィードバックはするだけでは意味がなく、受けた側の行動が変わらなければ意味がありません。そのためには、当然ですがフィードバックを受けなければ何も始まりません。

フィードバックをもらった時には、それをポジティブに受け取る事で「フィードバックを与えやすい人材」になることができます。

もちろん、マイナスの評価をされたら誰しも良い気分にはなりません。ただ、マイナスの評価を受けた際にはフィードバックされた事実を素直に受け取り、与えられた改善策を前向きに受け止めて問題を打破しましょう。上司の中には、フィードバックに熱が入るあまり攻撃的になってしまう人もいるかもしれません。しかし、先ほども述べた通りフィードバックは批判ではありません。受ける側としても批判ではないということを覚えて置き「相手からはどう見えたのか」という事実だけを受け取るように意識しましょう。

さらに、フィードバックを受ける上で覚えておいたほうが良いこととして「目標とフィードバックをセットで考えること」があります。
フィードバックを受ける前に、自分の目標を定めておくとフィードバックを受けた際にそれが達成できているかという評価を行うことができます。定めた目標は、フィードバックをくれる相手に共有しておくとより効果的です。フィードバック毎にそれができているか確かめ、その達成度合いに応じて新たな目標を定めるとよいでしょう。
たとえば、「作業中のミスの発生を一ヶ月で5件以下にする」という目標をたてたとします。
上司がフィードバックする際には、目標と現状の行動のかい離を見てこのままで良いのか・改善すべき点があるのかを判断します。月半ばの時点で既にミスが3件発生している場合には、なぜミスが発生してしまったのかを分析し、改善行動を促すフィードバックを受けることが出来ます。逆にミスが1件もなければ、何が良かったのかを分析した上で目標の再設定を行うことが出来るのです。

 

効果的なフィードバックのために、まずはできることから始めよう

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ここまでフィードバックのコツをお伝えしてきました。
すぐには無理だ!と思われるものもあったかもしれませんが、一つ一つ行動に移すことで着実に効果的なフィードバックへ近づいていきます。

実践しやすいものとして、まずは相手にポジティブなフィードバックをすることから始めてみてはいかがでしょうか。改善点を伝えたり、注意をする際にも褒める言葉を織り交ぜることで相手にとって受け止められやすい、効果的なフィ―ドバックにしていきましょう。


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■本社所在地 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-34-6 八光ビル7階
■設立 2000年 10月


 

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