PDCA

ゼロから見直すPDCA

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PDCAという名前は知っていても、PDCAが何に、どうして役に立つのですか?と聞かれると言葉に詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。今更のように思えても、もう一度PDCAを根本から振り返ってみましょう。今回は、①PDCAがどこでどういう目的で発祥したのか、②どう役立つのか、③PDCAの具体例の3点でPDCAを見直していきます。

 

1.PDCAの発祥と発展
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そもそもPDCAとは、Plan・Do・Check・Actionの4つの頭文字をとった言葉です。

・Plan=目標を設定し、目標達成のための仮説をたてる

・Do=仮説を基に実行する

・Check=実行した結果の評価をする

・Action=Checkの段階で見えた課題の解決策を考え改善する

の4つの行程を繰り返し行っていき、目標を達成するためのツールになります。

このPDCAは第二次世界大戦後の1950年代に、米国のウィリアム・エドワーズ・デミングや、デミングの師であるウォルター・シューハートによって、主に生産管理や品質管理などのマネジメントのために提唱されました。

 

2.なぜPDCAで目標が達成できるのか
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先程PDCAは目標達成のためのツールと説明しましたが、それではなぜPDCAのプロセスを繰り返し行うことで目標が達成できるのでしょうか。

PDCAが目標達成のために有効なのは課題を解決し達成までのプロセスを修正しながら目標に向かえるためです。一つ一つのプロセスごとにこの理由を説明していきます。

①Plan

まずは目標設定をして、その達成のための仮説を立てる段階です。「こうすればうまくいくのではないか」という自分なりの仮説を立てることでその後の実行及び検証が意味のあるものになっていきます。
ここで立てる目標は4W2H、つまり、いつ(When)、誰が(Who)、何を(What)、どこで(Where)、どのくらいの量(How much)どのような方法で(How)、というように、詳細に決めていきます。
特に期限やノルマなどの数値目標を立てることで、Checkの段階で目標が達成されたかどうかが分かりやすくなります。

②Do

次は仮説の実行の段階です。この段階で力を抜いて実行してしまうと、仮説が悪かったのか実行しきれていなかったことが悪いのかわからなくなってしまい、改善しづらくなってしまいます。ただ動くのではなく、どうすれば集中力を切らさず高いパフォーマンスを発揮できるかを考えながら実行しましょう。
質にこだわりすぎるのではなく、まずは行動の量で100%を目指すようにすることがおすすめです。

③Check

そして検証の段階です。実行した結果をもとに仮説を見直し、時には実行の仕方も見直して良かった点と課題点を発見します。良い点悪い点双方の「原因」を探って特定し、修正して次のアクションに活かしましょう。
この時、主観的・感情的要素が入らないよう、あくまで客観的に数値ベースで評価し、原因分析をしていくことがポイントになります。

④Action

検証結果で見えた課題の解決策を考え、良い点は活かしてもう一度行動に移す段階です。
そして、改善アクションを実行し終えたらまたPlanへ戻ります。このように、目標達成までのプロセスが修正を繰り返すことでだんだんと改善されていくためにPDCAは有効なツールであると言えるのです。
この際、もし目標を達成できていればもう一段階レベルアップさせた目標の達成を目指してまたPDCAを回していきましょう。

 

3.具体例から学ぶPDCA
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ここまでPDCAとは何かを説明してきましたが、実際にどのようにPDCAを回していくのか、具体例を見てみましょう。

今回は営業の場合のPDCAについてみていきます。
「一ヶ月で商談の成功率を10%向上させる」ことを目標にしたとしましょう。ここでの商談の成功は指名を得る事とします。

①Plan

顧客の中でも対象を絞り、その対象がどのような商品を求めているかニーズを調べます。
調べた結果を基に10%成功率が上がるための方針と施策を決めていきます。たとえば活動量に関する数値目標と、商談の中身に関する目標を決めておく等です。

②Do

Planの段階で立てた方針と施策を実行していきます。検証の段階へ向けて、立てた計画は本気で実行することが重要です。

③Check

数字で目標がある場合はその目標通りに活動ができたのかを確認していきます。
また、なぜその数字を達成できたのか(達成できなかったのか)の要因を考えます。さらに商談ひとつひとつの中味を振り返ることで、なにを改善すればいいのか、注力すべき点はどこかを見極めます。

④Action

検証結果を次の営業活動に活かしたり、営業以前の段階である商品設計部門への改善提案などを行うなど改善アクションをとっていきます。

このようなプロセスを繰り返すことで、営業の量と質が改善し、目標達成へ繋がっていきます。

 

4.新しいコンセプトとPDCA
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PDCAという言葉が浸透してくると同時に、PDCAと並ぶ新たなコンセプトが提唱されています。
今回はその一部としてPDS、STPD、PDCFAの3つをご紹介し、PDCAとの違いを分析していきます。

 

●PDS

PDCAと類似したツールとしてよくあげられるのがPDSです。それぞれPlan・Do・Seeの頭文字をとった言葉です。

Plan(計画):目標を設定し、目標達成のための仮説をたてる

Do(実行):仮説を基に実行する

See(統括): 実行過程が計画に適合しているかどうかチェックする

PDSもPDCA同様目標を達成するために計画し、実行し、その結果を確認してまた目標へ戻るというサイクルが実行されます。
ただ、PDCAではCheck段階で課題を発見してから、Action段階を挟むことで対策を一度実行検証してみてまた計画を立てるのと比べて、PDSの場合はチェックの段階の直後に計画の段階が来ています。
PDCAの方が対策の検証があるために、目標達成までのサイクルがより回りやすくなります。

 

●STPD

STPDはPDCAで起こりがちな問題点を解決しようと発案されたもので、See・Think・Plan・Doの頭文字をとっています。

1.See:事実を観察する

2.Think:その事実が起きている原因を分析し、どうするべきか考える

3.Plan:改善計画をたてる

4.Do:計画を実行する

この記事で説明しているPDCAは、個人も目標達成やプロジェクト管理には有効な考え方です。ただ、計画を立てる際に「思い込み」が入ってしまうと誤ったアプローチをとってしまう可能性があります。そこで、STPDではまず初めに「ありのままの事実を見る」ことによって思い込みを外し、その事実が起きている原因を分析したうえで計画を立て実行します。

このSTPDサイクルは、ソニーの小林茂氏(当時の常務取締役・厚木工場長)が約30年前に提唱されたものと言われており、特にリスク管理において活用されることが多いようです。

 

●PDCFA

PDCAの発展系として提唱されているのがPDCFAです。Plan・Do・Check・Feedback・Actionの頭文字をとっています。

前述のPDCAとほとんど変わらないものですが、CheckとActionの間にFeedbackを入れ、他者からのアドバイスをActionに反映することでよりよい改善を目指していくものになります。
だれでも初めから一人でPDCAをサイクルとして回していくのは難しいので、周囲からのフィードバックをもらうことでサイクルを回しやすくし、自分の振り返りもより深く行う効果があります。

紹介した3つのコンセプトはどれもPDCAの派生形や発展系です。まずは基本のPDCAを理解してから、これらの方法を試して自分のやりやすい方法へ変えてみるのも良いかもしれません。

 

5.PDCAを活用して目標を達成する
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前述のとおり、PDCAは目標達成のためのツールです。Plan(計画)⇒Do(実行)⇒Check(検証)⇒Action(改善)の4つのプロセスを繰り返すことで、修正を繰り返しながら目標に向かうことが出来ます。PDCAなんてなんだか古いし今更だと感じていた方も、PDCAは目標を達成する上でのベースになる考え方ですので、是非もう一度見直してみてください。次の記事では、このPDCAと関連の深い目標管理とのつながりをご紹介していきます。今回の記事も併せてぜひ参考にしてみてください。

 


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